コシアブラは庭に植えてはいけないという噂を聞いて、不安に思っているんですね。
私も園芸をやっている身として、コシアブラの魅力は本当によく分かります。
「山菜の女王」と呼ばれる美味しい新芽が収穫できるなんて、すごく魅力的ですよね。
でも確かに、コシアブラには庭に植える上でいくつかのデメリットやリスクがあるのも事実なんです。
まず最初に要点だけをまとめると……
- コシアブラは成長が非常に早く、最終的に15~20メートルの大木になる
- 根が強力で広範囲に張り、建物の基礎や配管を損傷させるリスクがある
- 適切な場所選びと管理をすれば、庭での栽培も十分可能
- プランター栽培なら成長をコントロールしやすく、初心者にもおすすめ
「やっぱり庭に植えるのは諦めた方がいいのかな…」って思ってませんか?
でもご安心ください。
この記事では、コシアブラを庭に植える際の具体的な理由やリスクを詳しく解説するとともに、安全に栽培するための知識と対策方法をお伝えしていきます。
私の知り合いでも、適切な管理でコシアブラを上手に育てている人がいるんです。
それじゃあ、具体的な理由と対策方法を見ていきましょう。
コシアブラを庭に植えてはいけない5つの理由
コシアブラが庭木として不向きとされる理由は、主に以下の5つです。
- 成長が非常に早く、最終的に15~20メートルの大木になる
- 根が強力で広範囲に張り、建物の基礎や配管を損傷させる
- 他の植物の日光を奪い、成長を妨げる
- 山間部の森林環境に適した植物で、庭環境に適応しにくい
- 剪定や撤去が困難で、維持管理の負担が大きい
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
理由1:驚異的な成長スピードで巨大化する
コシアブラの最大の問題は、その驚異的な成長スピードです。
近所のSさんも

最初は可愛い苗木だったのに、3年で2メートルを超えてしまって驚いた
と話していました。
コシアブラは成長が非常に早く、放任すると最終的に15~20メートルにもなる高木になってしまいます。
一般的な住宅の庭では、このサイズは完全に管理の範囲を超えてしまいますよね。
具体的な問題として以下があります。
- 剪定作業が専門業者でないと困難になる
- 電線や隣家の敷地に枝が侵入するトラブルが発生する
- 台風などの強風で倒木のリスクが高まる
- 目的である新芽の収穫が高すぎて不可能になる
私の知り合いのTさんは

コシアブラの新芽を収穫したくて植えたのに、今では脚立を使っても届かない高さになってしまった
と苦笑いしていました。
本来の目的である山菜収穫が困難になってしまうのは、本末転倒ですね。
理由2:強力な根系が構造物を破壊する
コシアブラの根の問題は、多くの人が見落としがちな深刻なリスクです。
コシアブラは根を地表近くに浅く、しかし広範囲に張る性質があり、1本1本の根が非常に太くなります。
この強力な根系が以下のような被害を引き起こす可能性があります。
- 住宅の基礎コンクリートのひび割れや沈下
- 地下配管(上下水道、ガス管)の圧迫や損傷
- アスファルト舗装の隆起
- ブロック塀や外構の傾斜・倒壊
特に建物から5メートル以内に植えてしまうと、将来的に深刻な構造的被害を受けるリスクが高まります。
「コシアブラの根が家の基礎を押し上げて、室内の床にひびが入った」という話もあり、修繕費用がかなり高額になるのは想像に難くありません……。
根の被害は目に見えないところで進行するため、気づいた時には手遅れになることが多いのが怖いところです。
理由3:他の植物への日照阻害
コシアブラが大きく成長すると、庭の他の植物に深刻な影響を与えます。
15~20メートルにもなる高木が作る影は非常に広範囲に及び、以下のような問題を引き起こします。
- 花壇の花や野菜の日照不足による生育不良
- 芝生の枯れや苔の発生
- 果樹の実付きが悪くなる
- 洗濯物が乾きにくくなる
「コシアブラが大きくなってから、庭の花壇がほとんど日陰になって、育てていたバラが咲かなくなった」と残念がる声も。
特に南側に植えてしまうと、家全体が暗くなり、室内の採光にも悪影響を及ぼします。
せっかくの庭が暗い空間になってしまうのは、ガーデニングを楽しむ上で大きなマイナスポイントですね。
理由4:庭環境への適応の難しさ
コシアブラは本来、山間部の森林環境に自生する植物です。
そのため、一般的な住宅の庭とは大きく異なる環境を好み、適応に苦労することが多いんです。
具体的な環境の違いは以下の通りです。
- 山では足元は日陰で上部は日当たりという特殊な光環境
- 一日中安定した湿度が保たれる
- 風通しが良く、強風は他の樹木が防いでくれる
- 豊富な落ち葉による天然の腐葉土層
住宅の庭では、これらの条件を完璧に再現するのは非常に困難です。
特に夏の強い西日や乾燥、冬の寒風などは、コシアブラにとって大きなストレスとなり、生育不良や枯れの原因になります。
近所のKさんも

植えた当初は元気だったのに、夏の暑さで葉が全部焼けてしまった
という経験をしているそうです。
理由5:維持管理の困難さ
コシアブラの維持管理は、想像以上に大変な作業になります。
成長が早く大型化するため、以下のような管理上の問題が発生します。
- 高所での剪定作業は専門業者への依頼が必要
- 剪定費用が年間数万円~十数万円かかる
- 太い枝の処分が困難
- 根の撤去は重機が必要な大工事になる
Kさんは

コシアブラの剪定を業者に頼んだら、毎年5万円以上かかるようになった。もう維持費が家計に響くレベル
と嘆いていました。
特に撤去を考えた場合、根まで完全に取り除くには10~30万円程度の費用がかかることも珍しくありません。
「ちょっと植えてみよう」という軽い気持ちで始めると、後々大きな負担になってしまう可能性があります。
【結論】植える場所を選ぶが絶対にNGなわけじゃない!
これまで5つのリスクを説明してきましたが、コシアブラは決して「絶対に植えてはいけない」植物ではありません。
適切な場所選びと管理方法を理解すれば、庭での栽培も十分に可能です。
成功のポイントは以下の通りです。
- 建物から最低10メートル以上離れた場所に植える
- 広い敷地で他の植物への影響を考慮する
- 定期的な剪定で樹高をコントロールする
- 明るい半日陰の環境を確保する
実際に、私の知り合いのHさんは

広い庭の隅に植えて、毎年春に強剪定をすることで、10年以上問題なく新芽を収穫している
と話してくれました。
特にプランター栽培であれば、根の張りを制限でき、移動も可能なため、多くの問題を回避できます。
要は、コシアブラの特性を正しく理解して、それに合った栽培方法を選ぶことが大切なんです。
コシアブラは庭に植えてはいけない
ここからは、コシアブラの基本的な情報から栽培方法まで、詳しく解説していきます。
正しい知識を身につけることで、安全で楽しいコシアブラ栽培が可能になりますよ。
基本情報(樹高・種類)
まずはコシアブラの基本的な特性を理解しましょう。
以下の表にまとめてみました。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 学名 | Chengiopanax sciadophylloides |
| 科名 | ウコギ科コシアブラ属 |
| 種類 | 落葉高木 |
| 樹高 | 15~20メートル(最大) |
| 寿命 | 数十年~数百年 |
| 原産地 | 中国、日本では北海道~九州に分布 |
| 別名 | ゴンゼツ、金漆、山菜の女王 |
コシアブラは「山菜の女王」と呼ばれるように、新芽が非常に美味しい植物として有名です。
タラの芽と並んで人気の山菜で、強いコクと香りが特徴的。
掌状複葉で5枚の小葉からなる美しい葉は、秋には透き通るような淡い黄色に紅葉し、観賞価値も高い植物です。
ただし、その美しさと美味しさの裏には、先ほど説明した通りの栽培上の注意点があることを忘れてはいけません。
苗木はホームセンターに売ってる?価格と販売状況
「コシアブラの苗木ってどこで買えるの?」という疑問を持つ方も多いですよね。
私も最初は探すのに苦労しました。
ホームセンターでの販売状況は以下の通りです。
- 大型ホームセンターでは取り扱っている場合がある
- 山菜苗や果樹苗コーナーに置かれることが多い
- 販売時期は主に11月~3月の休眠期
- 常時在庫があるわけではなく、予約注文が確実
価格の目安としては、以下のような感じです。
- 実生3年目程度の幼苗(樹高10cm前後):880円~1,320円
- 樹高30~50cmの中苗:1,500円~2,800円
- 樹高1メートル程度の大苗:3,000円~5,000円
私の経験では、園芸専門店やネット通販の方が確実に購入できます。
特にネット通販では品揃えが豊富で、苗の状態も詳しく説明されているため、初心者には安心です。
「ホームセンターで3軒回ったけど見つからなくて、結局ネットで注文した」なんて人も……。
購入時期としては、植え付けに最適な11月~3月頃に合わせて注文するのがおすすめです。
挿し木で増やすことは可能?
「コシアブラを挿し木で増やせたらいいな」と思う方も多いでしょう。
結論から言うと、挿し木での繁殖は技術的には可能ですが、成功率はかなり低いのが現実です。
挿し木が難しい理由は以下の通りです。
- 発根率が非常に低い(10%以下)
- 発根促進剤を使っても成功率は限定的
- プロの生産現場でもミスト装置などの本格設備が必要
- 発根しても活着率が悪い
家庭でより成功しやすい増殖方法として「根伏せ」があります。
これは以下の手順で行います。
- 太さ1cm以上の根を10cm程度に切り分ける
- 切り口を乾燥させないよう湿らせた用土に浅く埋める
- 明るい日陰で湿度を保ちながら管理する
- 春になると不定芽が発生する
「挿し木は何度やっても失敗したけど、根伏せで3本中1本が成功した」という成功体験談もあります。
ただし、家庭での増殖よりも、確実な苗木購入をおすすめします。
時間と手間を考えると、市販の苗木を購入する方が効率的ですよ。
栽培に適した植え付け場所(どれくらいの日陰がいい?)
コシアブラの栽培で最も重要なのが、植え付け場所の選択です。
「どの程度の日陰がいいの?」という質問をよく受けますが、答えは「明るい半日陰」です。
理想的な環境条件は以下の通りです。
- 午前中に2~3時間程度の日光が当たる場所
- 真夏の強い西日は当たらない場所
- 他の高木の足元のような「明るい日陰」
- 風通しが良いが、強風は避けられる場所
具体的な場所選びのポイントをお教えします。
- 建物の東側で、午前中の柔らかい日差しが当たる場所
- 既存の庭木(カエデやコナラなど)の足元
- 塀や生垣で西日が遮られる場所
- 水はけが良く、適度な湿度が保てる場所
特に重要なのは、幼木や新芽は強い直射日光に非常に弱いということです。
近所のEさんは

最初は日向に植えたら葉が全部焼けてしまって、半日陰に移植し直した
という経験をしています。
土壌については、以下の条件が理想的です。
- 水はけが良く、かつ保水性もある土壌
- 腐葉土を多めに混ぜ込んだ有機質豊富な土
- pH6.0~6.5の弱酸性土壌
市販の園芸用土に腐葉土を3割程度混ぜれば、十分な環境が作れますよ。
耐寒性など育て方の注意点
コシアブラの育て方で注意すべきポイントを、ステップ順に整理してみました。
- 植え付け時期の選択
11月~3月の休眠期が最適。特に3月下旬の芽吹き直前が理想的。根を傷めないよう、根鉢は崩さずにそっと植え付ける。 - 水やりの管理
植え付け後1か月は毎日たっぷりと水やり。土の表面が乾いたらすぐに水を与える。ただし、水はけの悪い場所では根腐れに注意。 - 肥料の与え方
基本的に追肥は不要な程、生育旺盛。与える場合は落葉期(11月~2月)に寒肥として有機肥料を一握り程度。窒素過多は避ける。 - 病害虫対策
比較的病害虫に強いが、アブラムシやカイガラムシが付くことがある。発見次第、薬剤散布または手で除去する。 - 耐寒性の確認
耐寒性は非常に強く、-20℃程度まで耐えられる。北海道でも露地栽培可能。ただし、強風による枝折れに注意。
特に重要なのが、水管理です。
コシアブラは乾燥に弱い植物なので、特に夏場は土を乾燥させないよう注意が必要です。
私の知り合いのWさんは

水やりを忘れて2日間乾燥させてしまったら、葉がしおれて大慌てした
という経験をしています。
逆に、水はけが悪すぎる場所では根腐れのリスクもあるため、バランスが大切ですね。
プランター栽培も可能?
「庭に植えるスペースがない」という方には、プランター栽培がおすすめです。
実は、コシアブラのプランター栽培は多くのメリットがあります。
- 根の張りを制限でき、成長をコントロールできる
- 移動が可能で、季節に応じた環境調整ができる
- 建物への影響を心配する必要がない
- 管理がしやすく、初心者にも向いている
プランター選びのポイントは以下の通りです。
- 深型の菜園用プランター(深さ40cm以上)
- 10号鉢(直径30cm)以上の大型鉢
- 底穴がしっかりと開いている排水性の良いもの
- 移動用のキャスター付きが便利
用土は市販の園芸用土に腐葉土を3割程度混ぜたものが理想的。
プランター栽培での注意点もあります。
- 根詰まりが起こりやすいため、2~3年ごとの植え替えが必要
- 土の乾燥が早いため、水やりの頻度が増える
- 樹高は1~2メートル程度に制限される
- 冬場は凍結防止のため、不織布などで保護する
プランター栽培なら、樹高を低く抑えられるため、新芽の収穫も楽になります。
「プランターで長年育てているけど、毎年たくさんの新芽が収穫できて大満足」という話も聞いたことがあります。
庭植えに不安がある方は、まずプランターから始めてみるのがおすすめです。
剪定時期やコツ
コシアブラの剪定は、樹形を整え、収穫しやすい高さに保つために重要な作業です。
適切な剪定方法をステップ順に説明します。
- 剪定時期の選択
新芽の収穫直後(5月~6月)が最適。この時期なら切り口の回復も早く、翌年の新芽にも影響しない。 - 剪定する枝の選別
まず枯れ枝、病気の枝、交差している枝を除去。次に樹高を抑えたい場合は、主幹の先端を切り戻す。 - 切り方のコツ
枝の基部から1cm程度上で、斜めに切る。切り口は癒合剤を塗布して病気を防ぐ。太い枝は3段階に分けて切る。 - 樹形の整え方
コシアブラは頂芽を摘むことで側芽が伸びる特性がある。収穫を兼ねた摘芯で、枝分かれを促進できる。 - 剪定後の管理
剪定直後は水を多めに与え、日陰で養生。新しい芽が動き出すまで1か月程度は様子を見る。
剪定で最も重要なのは、収穫を兼ねた「摘芯」です。
コシアブラは先端の芽を摘むことで、その下から複数の側芽が伸びて枝分かれし、樹高を抑えながら収穫量も増やすことができます。
ただし、強すぎる剪定は樹勢を弱めるため、年間の剪定量は全体の3分の1程度に留めることが大切です。
枯れる原因
「せっかく植えたコシアブラが枯れてしまった」という話をよく聞きます。
枯れる原因を理解して、事前に対策を取ることが重要ですね。
主な枯れる原因は以下の通りです。
- 根の損傷
植え付け時や移植時に根を大きく傷つけると枯れやすい。コシアブラは細い根が少なく、根の再生能力が限定的なため - 水管理の失敗
極端な乾燥(水切れ)または過湿による根腐れが最も多い原因。特に植え付け直後の1か月は要注意 - 日焼けによる葉の損傷
若い苗が真夏の強い直射日光(特に西日)に当たると、葉が焼けて光合成ができなくなる - 土壌の問題
水はけが悪すぎる粘土質土壌や、逆に保水性がない砂質土壌での栽培失敗 - 病害虫の被害
稀だが、根腐病や立枯病などの病気、またはカミキリムシの幼虫による幹への被害
特に植え付け直後の管理が最も重要で、この時期の失敗が後々の枯れにつながることが多いです。
枯れを防ぐための対策として、以下の点に注意してください。
- 植え付け時は根鉢を崩さず、そっと植える
- 植え付け後1か月は毎日の水やりを欠かさない
- 半日陰の環境で、徐々に環境に慣らす
- 土の水はけと保水性のバランスを確保する
「なんだか元気がないな」と感じたら、早めに原因を特定して対処することが大切です。
寿命の目安
「コシアブラってどのくらい生きるの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
コシアブラは落葉高木で、自生環境では非常に長い寿命を持つ植物です。
寿命に関する具体的な情報は以下の通りです。
- 自生環境では100年以上生きる個体も確認されている
- 適切に管理された庭木でも50~80年程度の寿命は期待できる
- プランター栽培では20~30年程度が一般的
- 収穫目的での栽培なら10~20年で十分元を取れる
長寿命の樹木だからこそ、植える場所の選択は慎重に行う必要があります。
一度植えたら数十年にわたって付き合うことになるため、将来的な成長を見据えた計画的な植栽が重要です。
寿命を延ばすためのポイントとしては、以下があります。
- 適切な環境(半日陰、水はけの良い土壌)での栽培
- 定期的な剪定による樹勢の維持
- 病害虫の早期発見と対処
- 強風や雪害からの保護
長く付き合う植物だからこそ、最初の環境作りに力を入れることが大切ですね。
『コシアブラは庭に植えてはいけない』のまとめ
ここまで、コシアブラを庭に植える際のリスクと対策について詳しく解説してきました。
確かにコシアブラにはいくつかのデメリットがありますが、適切な知識と管理があれば十分に栽培可能な植物です。
最後に、この記事の重要なポイントをまとめておきますね。
- コシアブラは成長が早く大木になるため、広いスペースと定期的な剪定が必要
- 強力な根系により建物や配管への被害リスクがあるため、植える場所は慎重に選ぶ
- 山間部の環境を好むため、明るい半日陰での栽培が理想的
- プランター栽培なら多くのリスクを回避でき、初心者にもおすすめ
- 適切な管理をすれば数十年にわたって美味しい新芽を収穫できる
「山菜の女王」と呼ばれるコシアブラの新芽は、本当に美味しくて魅力的です。
ただし、その栽培には相応の知識と準備が必要ということも事実。
あなたの庭の環境や管理能力を考慮して、最適な栽培方法を選択してくださいね。
特に初めての方には、まずプランターでの栽培から始めることをおすすめします。
適切な管理ができれば、きっと素晴らしいコシアブラライフが送れるはずです。
■参照サイト:コシアブラ – Wikipedia

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